トラジャコーヒーとは？幻と呼ばれる理由と味の特徴を解説

「コーヒートラジャ」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか。幻と呼ばれるコーヒートラジャの基本について知りたい方や、コーヒー豆のトラジャとは何ですか？と疑問に思っている方もいるでしょう。トラジャコーヒー特徴は独特で、トラジャコーヒーはどんな味ですか？という質問も多く寄せられます。この記事では、トラジャコーヒーどこの国？といった産地の情報から、トラジャコーヒーの格付けは？という専門的な内容まで、詳しく解説します。

さらに、コーヒートラジャの入手方法と選び方にも焦点を当て、キーコーヒートラジャとトアルコトラジャの違い、トラジャコーヒー豆の選び方、気になるトラジャコーヒー値段の相場についても触れていきます。トラジャコーヒーカルディや店舗での入手方法、トラジャコーヒー公式サイト情報まで網羅し、最後に幻のコーヒートラジャを味わおうと締めくくります。

トラジャコーヒーが「幻のコーヒー」と呼ばれる歴史的背景
トラジャコーヒー特有の味わいと香りの詳細
「トアルコトラジャ」と一般的なトラジャコーヒーの違い
カルディや専門店など具体的な購入場所と価格相場

幻と呼ばれるトラジャコーヒーの基本

トラジャコーヒーは、その希少性と独特の風味から、世界中のコーヒー愛好家を魅了しています。まずは、このコーヒーがどのようなものなのか、基本的な知識から見ていきましょう。

コーヒー豆のトラジャとは何ですか？

トラジャコーヒーとは、インドネシアのスラウェシ島にある「トラジャ地方」で栽培されるアラビカ種のコーヒー豆を指します。このトラジャ地方は、島の中心部に位置する山岳地帯です。

この地域で収穫されたコーヒー豆だけが「トラジャ」という名を冠することができ、その土地固有の気候と土壌が、独特の風味を生み出しています。生産量が限られているため、希少価値が高いコーヒー豆の一つとして知られています。

トラジャコーヒーの特徴

トラジャコーヒーの最大の特徴は、そのドラマチックな歴史にあります。第二次世界大戦の影響で現地の農園が荒廃し、トラジャコーヒーは市場から姿を消してしまいました。このことから、愛好家の間では「幻のコーヒー」と呼ばれるようになったのです。

その後、1970年代に日本の大手コーヒー企業（キーコーヒー）が支援に入り、農地の改良やインフラ整備を行いました。現地の人々の努力によって生産が再開され、品質が劇的に向上しました。このように、一度は失われかけたものが復活を遂げたという背景も、トラジャコーヒーの大きな特徴となっています。

トラジャコーヒーはどんな味ですか？

トラジャコーヒーの味わいは、非常に個性的で「グルメコーヒー」とも称されます。力強いコクと、滑らかさを兼ね備えている点が魅力です。

香りは「芳醇」と表現されることが多く、スモーキーさやクリーミーさを感じることもあります。味わいについては、柑橘類を思わせるような爽やかで軽やかな酸味と、その奥にあるフルーティーな甘みが続きます。苦味、酸味、甘味、コクのバランスが絶妙で、奥行きのある上品な余韻を楽しめるコーヒーです。

トラジャコーヒーはどこの国？

前述の通り、トラジャコーヒーの産地はインドネシア共和国のスラウェシ島です。この島は、赤道直下に位置していますが、トラジャ地方は標高1,000メートルから1,800メートルにもなる高地です。

この高地特有の環境が、コーヒー栽培に理想的な条件をもたらしています。

昼夜の寒暖差：日中は暑く、夜間は冷え込むため、コーヒーの実がゆっくりと成熟し、硬く引き締まります。これにより、風味が凝縮されます。
適度な降雨量：コーヒーの成長に必要な水分が確保されています。
弱酸性の土壌：火山を起源とする肥沃な土壌が、コーヒーの木に必要な栄養を与えます。

トラジャコーヒーの格付けは？

トラジャコーヒーを含むインドネシア産のコーヒー豆は、主に「欠点豆」の数によって格付け（グレード分け）されます。これは、300gのサンプルに含まれる欠点豆（未熟豆、虫食い豆、割れ豆など）の数に基づいています。

最も品質が高いものが「G1（グレード1）」です。

等級が高いほど、豆の粒が揃っており、雑味の少ないクリアな味わいになる傾向があります。トラジャコーヒーを選ぶ際は、この「G1」表記も一つの目安になりますね。

等級（グレード）	欠点豆の許容数（300g中）
G1（グレード1）	0～11個
G2（グレード2）	12～25個
G3（グレード3）	26～44個
G4（グレード4）	45～80個
G5（グレード5）	81～150個

トラジャコーヒーの入手方法と選び方

トラジャコーヒーの魅力が分かったところで、次に関心を持つのは「どうすれば手に入るのか」ということでしょう。ここでは、代表的なブランドや購入場所について解説します。

キーコーヒートラジャとトアルコトラジャ

トラジャコーヒーを語る上で、「キーコーヒー」の存在は欠かせません。そして、同社が扱う「トアルコトラジャ」という名前を聞いたことがあるかもしれません。

この二つの違いは以下の通りです。

トラジャコーヒー：スラウェシ島のトラジャ地方で生産されたコーヒー豆の「総称」です。
トアルコトラジャ：キーコーヒー株式会社の「登録商標」です。同社がトラジャ地方に自社農園を開き、復活を支援した経緯があります。「トアルコ」とは、「トラジャ・アラビカ・コーヒー」の頭文字などから名付けられています。同社が定めた厳しい品質基準（完熟豆の手摘み、独自の選別工程など）をクリアしたものだけが、このブランド名を名乗ることができます。

つまり、トアルコトラジャは、トラジャコーヒーの中でも特に厳格な管理のもとで生産された、高品質なブランドコーヒーと言えます。

トラジャコーヒー豆の選び方

トラジャコーヒーを選ぶ際は、まず「ストレート」か「ブレンド」かを確認しましょう。

ストレートは、トラジャコーヒー豆100%のものです。産地特有の個性的な香りや酸味、コクをダイレクトに楽しみたい方におすすめです。

ブレンドは、トラジャコーヒーをベースに、他の産地の豆を組み合わせて味のバランスを整えたものです。ストレートよりも価格が手頃になることが多く、マイルドな味わいを好む方にも適しています。

焙煎度合いもチェック

トラジャコーヒーは、その力強いコクと香りを引き出すため、中煎り（シティロースト）から深煎り（フルシティロースト）で焙煎されることが多いです。深煎りにするほど酸味は穏やかになり、スモーキーな風味と苦味、甘みが際立ちます。

トラジャコーヒー値段の相場

トラジャコーヒーは希少性が高いため、他のコーヒー豆と比較して値段は高価格帯に位置します。一般的なコーヒー豆が100gあたり数百円から購入できるのに対し、トラジャコーヒー（ストレート）は100gあたり700円〜1,500円程度が相場となっています。

特に、前述の「トアルコトラジャ」はブランド品であり、キーコーヒーの公式サイトでは200gで約3,000円（100gあたり約1,500円）で販売されていることもあります。価格は品質やブランドによって大きく変動します。

【トラジャコーヒー】カルディやその他店舗での入手

トラジャコーヒーは、コーヒー専門店以外でも比較的手に入りやすくなっています。

カルディコーヒーファーム

カルディでは、「ママサ（トラジャ地区産）」という名前で販売されていることがあります。200gで1,000円前後と、トラジャコーヒーとしては比較的手頃な価格設定が魅力です。中煎りで、まろやかな苦味と控えめな酸味が特徴とされています。ただし、全店舗で常時取り扱いがあるとは限らないため、見かけたら試してみる価値があるでしょう。

スターバックス

スターバックスでは、インドネシア産の豆として「スマトラ」が有名ですが、トラジャ（スラウェシ）も限定的に入荷することがあります。特に高品質な豆を扱う「スターバックスリザーブ」のラインで、「スラウェシトラジャサパンビレッジ」といった名前で販売された実績があります。

このほか、多くの自家焙煎店やコーヒー専門店で「トラジャ・カロシ」などの名前で取り扱われています。

トラジャコーヒー公式サイト情報

トラジャコーヒーの情報を得る上で最も信頼性が高いのは、やはり「トアルコトラジャ」ブランドを展開するキーコーヒーの公式サイトです。

公式サイトでは、トアルコトラジャの歴史や栽培環境、品質へのこだわりが詳しく紹介されています。また、公式オンラインショップでは、豆、粉、ドリップオン（一杯分）など様々な形態で購入が可能です。

キーコーヒー「トアルコトラジャ」ブランドサイト：
https://www.keycoffee.co.jp/toarcotoraja/

キーコーヒー公式オンラインショップ：
https://www.keycoffee.co.jp/shop/

幻のコーヒートラジャを味わおう

トラジャコーヒーを手に入れたら、その特徴的な味わいを存分に楽しみましょう。最もおすすめなのは、やはりブラックでストレートに飲むことです。独特のスモーキーな香り、心地よい酸味、そして後に残る甘い余韻をしっかりと感じ取れます。

また、抽出器具によっても味わいが変わります。ペーパードリップですっきりと淹れるのも良いですし、フレンチプレスを使ってコーヒー豆の油分（コーヒーオイル）ごと抽出すれば、より力強いコクとなめらかな口当たりを楽しめます。

現地インドネシアでは、コーヒーの微粉末をカップに直接入れ、お湯と砂糖を注いで上澄みだけを飲む「バリコピ」という飲み方もあります。トラジャで試すと、非常にワイルドな味わいを発見できるかもしれません。

まとめ

この記事では、「コーヒートラジャ」に関する様々な情報をお届けしました。トラジャコーヒーは、インドネシアのスラウェシ島トラジャ地方でのみ栽培される、アラビカ種の希少なコーヒーです。その特徴は、スモーキーで芳醇な香り、爽やかな酸味、そして力強いコクと甘みの絶妙なバランスにあります。

第二次世界大戦の影響で一度は市場から姿を消したため「幻のコーヒー」と呼ばれましたが、日本のキーコーヒーの支援により復活を遂げました。特に同社のブランド「トアルコトラジャ」は、厳しい品質基準をクリアした高級品として知られています。価格は100gあたり700円から1,500円程度が相場ですが、カルディなどでも「ママサ」といった名前で手頃な商品が販売されることもあります。

ぜひ一度、このドラマチックな背景を持つ個性的な味わいを、ストレートで体験してみてください。