「自分の好みに合うコーヒーを見つけたい」
「いろいろなコーヒーを飲んでみたい」
コーヒーは、豆の種類・挽き方・焙煎度合いなどの掛け合わせよって味わいや香りが変化する奥深い世界です。
この記事を読めば、普段何気なく飲んでいるコーヒーの種類が分かったり、今まで知らなかったコーヒーの世界を知ることができます。
- コーヒーの種類が分かる
- 焙煎と挽き方、淹れ方による味の違い
- シーンに合わせたコーヒーの選び方
喫茶店やカフェの店舗運営を10年以上経験。コーヒーインストラクター1級(JCQA)・SCAJなどコーヒーに関する資格を保有。
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コーヒーは何種類に分けられる?
コーヒーを大まかに分類すると、品種・産地・焙煎・挽き方・淹れ方の5つに分けられます。
ここからは、一つ一つを取り上げてを分かりやすく解説していきます。
コーヒー豆の品種
コーヒーの原料として使われる品種は200種類以上あると言われていますが、その元をたどると3つの原種から派生していったと言われています。
三大原種
コーヒー豆には、「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の三大原種と呼ばれる品種が存在します。
特長 | 流通 | |
アラビカ種 | 香りや酸味に優れている | 全体の約7割 |
ロブスタ種 | カフェイン量が多く、苦みが強い | 全体の約2~3割 |
リベリカ種 | 豊かな甘さとフルーティーな香り | 全体の約1% |
アラビカ種
コーヒーの起源とも呼ばれており、様々な品種の元になっています。
アラビカ種が全体流通量の約7割を占めていて香りや風味が優れていますが、病気に弱く栽培が難しいというデメリットがあります。
アラビカ種は、6世紀ごろエチオピアからイエメンにコーヒーが伝わると植民地への持ち込みや品種の突然変異などで一気に栽培地と品種が増えていきました。
約1,500年前にはコーヒーが飲まれていた
ロブスタ種
「ロブスタ種」は別名カネフォラ種とも呼ばれています。
病気に強く、アラビカ種よりも栽培しやすいですが、香りや風味は劣るため、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料に使われています。
缶コーヒーやインスタントを飲んでいる方には身近なコーヒー
リベリカ種
「リベリカ種」は原産国がアフリカのリベリアで、流通量はとても少なく、全体でみても1%程度しかない品種です。
アラビカ種やロブスタ種よりも風味が劣り、病気にも強くないため、日本でもみかけることはほとんどありません。
コーヒー豆の産地
コーヒーの栽培には気温が高く、標高も必要なため、熱帯地域に限定されています。
東南アジア、中南米、アフリカなどが主な産地ですが、日本でも沖縄など一部の地域で栽培されています。
コーヒー栽培が可能な赤道を挟んだ南北の地域を『コーヒーベルト』と呼ばれており、コーヒーは産地(栽培環境)によって味わいが大きく変わります。
産地によっても味の傾向があり、キンマンジャロやブルーマウンテンなどの地域がコーヒーのブランド名にまで定着している産地もあります。
北緯25~南緯25の範囲をコーヒーベルトと呼ぶ
コーヒー豆の焙煎・挽き方
コーヒー豆は、同じコーヒー豆でも焙煎度合いによってまったく別の味わいに変化します。
焙煎を専門に行う焙煎士は、仕入れた豆が一番美味しくなる焙煎度合いを探しながら焙煎をおこないます。
また、淹れ方によっても色んな味を表現でき、淹れ方に合った挽き方をする必要があります。
ここではそんなコーヒーの味にとって重要な焙煎度合いと挽き方を解説してきます。
焙煎は4or8段階に分けられる
焙煎は火力や時間によって浅煎りから深煎りまで仕上げるタイミングを変えており、日本語と英語では焙煎度合いを表現する段階が異なります。
- 日本語:4段階
- 英語:8段階
日本語では浅煎り、中煎り、中深煎り、深煎りの4段階に分けられ、英語ではライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンローストの8段階の呼び方があります。
コーヒー豆の焙煎度合いによって、味や見た目・香り・含まれるカフェインの量も変化します。
浅煎りは焙煎時間が短くカフェイン量が多い、深煎りは焙煎時間が長くカフェイン量が少ない傾向にあります。
焙煎度合い | 味わい | 見た目 | おすすめのシーン |
---|---|---|---|
浅煎り | 酸味と甘みが強い傾向 | シナモン色 | 眠気覚ましに朝食や昼食後におすすめ |
中煎り | 酸味・苦み・甘味のバランスが良い | 栗色 | 休憩などのリラックスタイムにおすすめ |
深煎り | 苦みが強い傾向 | 濃い茶褐色 | 夕方や甘いお菓子と相性が良い |
豆の挽き方は5段階に分けられる
コーヒー豆は淹れ方に合わせた細かさに挽く必要があります。挽き方は極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、粗挽きの大きく5段階に分けられます。
エスプレッソなら極細挽き、ドリップコーヒーなら中挽き、フレンチプレスなら粗挽きが合います。
どの細かさで挽くのかわからない方はコーヒーを買う際に使っている器具を伝えると店員さんが器具に合った挽き方をしてくれます。
コーヒーの淹れ方は7種類に分けられる
主なコーヒーの淹れ方には7種類あります。
コーヒーには色んな淹れ方や楽しみ方があり、地域や文化によっても異なります。
日本では昔からドリップコーヒーが一般的で、ヨーロッパやアメリカではエスプレッソの文化が広く普及しているため、アメリカーノやラテなどを愛飲しています。
ドリップコーヒー
フィルターやドリッパーという器具によってコーヒーの味わいが大きく変化します。
ペーパーフィルターは雑味がなくすっきりしたら味わいに、ネルフィルターは舌触りの良いマイルド味わいに、金属フィルターはコーヒーの風味がしっかりと感じられる味わいになる傾向があります。
自宅でも作れるおいしいコーヒーのレシピを公開しているので、気になる方はチェックしてみてください。
エスプレッソ
短時間に圧力を一気にかけて抽出するエスプレッソ。
1杯30mlほどの濃いコーヒーで、海外では砂糖を淹れて飲まれることが多いです。抽出にはエスプレッソマシンが必要で家庭用では1万~10万ほど、業務用10万から500万ほどで販売されています
マキネッタ
直火式エスプレッソマシンで、水蒸気圧で圧力をかけエスプレッソのような濃厚なコーヒーを抽出します。
ただ電気のエスプレッソマシンよりも圧力が弱いため、厳密にはエスプレッソと言えるほど濃くありませんが、手軽にエスプレッソに近い味わいを楽しめます。
水出しコーヒー
コーヒーの粉をフィルターに入れて水に8-10時間ほどつけこむことでゆっくりと成分を抽出したコーヒーでコールドブリューとも呼ばれています。
熱湯ではなく水で淹れた分、優しいまろやかなコーヒーに仕上がり、カフェでも人気のアイスコーヒーです。
サイフォン
フラスコに水を入れて熱源によってあたためます。
沸騰したお湯が水蒸気圧でロートを通り上にあがるとコーヒーと接触します。冷めるとフラスコ内にコーヒーが落ちて完成です。
目でみて楽しめるのがサイフォンの魅力です。熱湯で淹れるため、苦味の強いコーヒーに仕上がります。
フレンチプレス
紅茶用という印象が強いかも知れませんが、元々はコーヒーを入れる器具で、お湯にコーヒーを漬けこむため成分や油分もしっかりと抽出され、ドリップコーヒーとは違った味わいを楽しめます。
エアロプレス
注射器のような器具で、コーヒーの粉とお湯を器具に入れて押し込んだ圧力によって抽出します。
淹れ方の自由度が高く、エアロプレスを使った競技会もおこなわれるほどです。
まとめ
ここまで、品種・産地・焙煎・挽き方・淹れ方の5つについて解説してきました。
私たちの身近にあるコーヒーですが、実はたくさんの種類があり、それぞれの掛け合わせで無数の味わいを表現できる奥深い世界です。
この記事を読んで、好みのコーヒーに出会うヒントを見つけたり、少しでもコーヒーに興味を持って頂けると幸いです。