自宅でもできる美味しいコーヒーの入れ方についてプロが解説

カフェやお店で飲むような本格的なコーヒーを自宅でも味わいたい

実は、お店レベルのコーヒーを自宅で淹れることは難しくありません。簡単なルールと条件を守ることでご自宅でも美味しいコーヒーを楽しむことができます。

この記事では、意外と知られていないコーヒーの淹れ方に関する豆知識や、お店のコーヒーの味を再現するレシピを公開しています。

この記事で分かること
  • ひと手間で変わる美味しいコーヒーの淹れ方
  • 基本的なコーヒーの淹れ方が分かる
  • プロが実践しているコーヒーの淹れ方とその手順
記事を書いた人

喫茶店やカフェの店舗運営を10年以上経験。コーヒーインストラクター1級(JCQA)・SCAJなどコーヒーに関する資格を保有。

【バリスタ直伝】自宅で簡単に美味しいコーヒーを入れる方法

自宅でカフェにでてくるような美味しいコーヒーが飲みたい、そんな風に思ったことはありませんか?

ここでは、手軽にできる美味しいコーヒーの淹れ方やそのポイントについて解説しています。

ちょっとしたひと手間でコーヒーが変わる

まず、美味しいコーヒーを淹れる時に共通して言えることは基本を守ることです。

コーヒーを淹れる前に以下の準備が大切です。

  • 器具やカップをあたためる
  • お湯の温度やコーヒーの量を計る

何事も基本が大切

器具やカップをあたためる

当たり前と思われるかもしれませんが、意外とやってない方も多いのではないでしょうか?

特に冬場だとカップが冷たく、熱いお湯で淹れても出来上がったコーヒーはぬるくなってしまいます。

お湯の温度やコーヒーの量を計る

お湯の温度は90度前後がおすすめです。熱湯をドリップ用のポットに移した時がだいたい95℃です。

温度計がない方は器具やカップをあたためたお湯をポットに戻すことで適温にすることができます。

コーヒーも計量スプーンでも良いので測ることで味の安定と調整がしやすくなります。

美味しいコーヒーの真実

コーヒーには「3たての法則」があります。

コーヒーは、

  • 煎りたて
  • 挽きたて
  • 煎れたて

の条件が揃えば揃うほど美味しいコーヒーに仕上がります。

煎りたては焙煎から長くても一ヶ月以内が目安です。

コーヒーは挽いてしまうと酸化が早くなるため、淹れる前に挽くのが一番ですが、挽いた粉では常温で2週間以内、冷凍庫で1ヶ月以内が使い切るのがおすすめです。

また淹れた後のコーヒーも温度が下がったり、酸化ですっぱくなったりしやすく、コーヒーは淹れたあとすぐ飲める杯数分で淹れましょう。

初心者向け:簡単で美味しいコーヒーの淹れ方

一番簡単にコーヒーを作る方法はお湯に溶かすだけのインスタントコーヒーです。

インスタントコーヒーは少量の水でインスタントコーヒーを溶いてからお湯を入れることで香りや風味を最大限引き出せます。

また、コーヒーの主成分の98%は水なので水にこだわると美味しいコーヒーに仕上げることができます。

淹れたてのコーヒーが楽しめるドリップバック

もっと本格的なコーヒーを飲みたい方はドリップバックがおすすめです。

カップにセットするタイプでハンドドリップと同じように蒸らしをおこない、数回に分けてコーヒーを淹れていきます。

一般的なドリップバッグのコーヒーは粉の量が少なく、薄くなることが多いため、できるだけゆっくり回数を分けてお湯を注ぐことでコーヒーの味と濃さを出すことができます。

中級者向け:道具を使ったコーヒーの淹れ方

インスタントコーヒーやドリップバックのコーヒーよりも味わいや香りにこだわりたいなら、コーヒー豆を挽く道具やポットを使うことでより本格的なコーヒーを淹れられます。

ドリップコーヒーにおすすめの道具セットとその使い方

ここではドリップコーヒーを入れるための道具で、特におすすめなものをご紹介しています。

カリタウェーブ

ドリッパーの中で安定した味わいをつくりやすい形になっていて失敗しにくいドリッパーです。

ハリオスケール

ハンドドリップ用の計りで左で秒数、右で重さを同時に計ることができる専用のスケール。

ドリップコーヒーを提供しているお店ではほとんどのお店がこういったスケールを使いながらコーヒーを淹れています。

温度設定付き細口ポット

ドリップポットそのままでお湯を沸かすことができ、温度も1℃単位で決められるため、コーヒーの適温にセットしてすぐコーヒーを淹れることができます。

保温機能があるタイプもあるため、しばらく同じ温度をキープしつづけてくれます。

メリタ、カリタなどの種類別入れ方、特徴

ドリッパーの種類によってお湯の落ち方が変わり、味わいが変化します。ここではそれぞれの特徴を解説していきます。

メリタ

小さい一つ穴がある台形のドリッパー。ドリッパー内での滞在時間が長くコーヒーの味をゆっくり抽出してくれます。味のブレが少なく初心者におすすめです。

カリタ

小さい3つ穴がある台形のドリッパー。メリタと形は同じですが、3つ穴の分お湯の落ち方が早いです。その分、注ぎ方によって調整ができるので中級者向けです。

ハリオ

大きい一つ穴がある円錐型のドリッパー。お湯の注ぎ方によって落ち方が大きく変化して自由度の高い器具で上級者向け。

安定した味わいを目指すための分量や湯量の調整方法

使用している器具やコーヒーによっても淹れ方は変わりますが、どの条件でも気をつけるべき点を解説していきます。

蒸らしは粉全体に行き渡るようにお湯をかける

蒸らしは味を出しやすくするためのウォーミングアップのような行程です。お湯かかかっていないところがあるとムラがでてしまうため粉全体にお湯をかけていきましょう。

お湯の太さはできる限り一定にする

ドリップ用のポットが細口になっているのは細いお湯でゆっくりと成分を抽出するためです。

やかんのように太くお湯がでてしまうとコーヒーが早く落ちすぎて薄いコーヒーになってしまいます。

また、細口のポットを使っていても太くでたり、途切れてしまったりすると味が安定しないため、できるだけ同じ太さのお湯を出すようにこころがけましょう。

注ぎ分けるお湯の量と間隔を決める

お店でコーヒーを淹れる時は注ぐお湯の量と回数と時間が全部決まっています。

この淹れ方のレシピによってコーヒーの味わいが変わっていきます。初心者の方なら特に決めず感覚で淹れている方も多いかもしれません。

味が安定する淹れ方としては蒸らしのあと3回に分けて注ぐのがおすすめです。

この3回を湯量は変えず、同じように注いでいきましょう。参考までに一杯用での湯量と注ぐ間隔をご紹介します。

STEP

蒸らし20gのお湯を注ぎ30秒待ちます

STEP

1投目60g 注いだ後10秒待ちます

STEP

2投目60g 注いだ後10秒待ちます

STEP

3投目60g 注いだ後10秒待ってドリッパーを外して完成です

上記の3点が守られればコーヒーの味は格段に安定します。

計りとタイマーで湯量、時間を測れたらベスト

上級者向け:自宅でプロの味を再現するためのコーヒーの入れ方

コーヒーは、豆の焙煎具合・挽き方・淹れ方など複数の要素の掛け算でその味わいや風味が変化する奥深い世界です。

一つ一つの工程を試行錯誤することであなた好みのコーヒーの淹れ方を試してみてください。

バリスタが解説:豆の準備、最初から最後までの一杯の流れ

ここからは、筆者が考える本格的なコーヒーの淹れ方を8つのステップで解説していきます。

1.コーヒーを計る

カフェでは1杯15gとたっぷり使うのが主流です。2杯以降は杯数に応じて+10gを目安にしてください。

2.コーヒーを挽く

一般的には中挽きというミルの中間でひける荒さに設定して挽きます。

できるだけ淹れる直前に挽きましょう。淹れたコーヒーの酸味が強かったら少し細めに、苦味が強かったら少し荒くすることで調整できます。

3.器具とカップをあたためる

ドリッパー、サーバーを同時にあたためます。ペーパーフィルターの紙臭さが気になる方は一緒にお湯を通しておくことで軽減されます。

4.フィルターと粉をセットする

粉をセットするときはドリッパーを左右に振って平らにしましょう。山なりだとお湯が一方向に流れて均等に抽出できなくなります。

5.蒸らし

粉全体に満遍なくお湯をかけていきます。使用する粉の量の2倍の湯量が目安です。

時間は30秒が一般的ですが、新鮮な豆でコーヒーが膨らむ時は一番膨らんだのを確認できたら次のお湯を注いでいきましょう。

6.2投目ここでベースの味わいが決まります。

コーヒーは淹れ始めにしっかりと成分が抽出され、後半になるにつれて成分や濃度が薄くなり、最後は出がらしのようになっていきます。

そのため、成分と濃度がしっかりと出る前半にゆっくりと細いお湯で注ぐことでしっかりと味わいを出すことができます。

7.3投目以降 ここからは濃さの調整です。

数を分けて注いだ方が濃くなり、一気に注ぐと軽いコーヒーになりやすく、3回で終わるよりも5回に分けた方が濃くなります。

淹れたコーヒーが少し薄いと感じたら回数を増やしてみましょう。

8.ドリッパーを外す

一般的には最後まで落とし切ると雑味が入るため、お湯が残っていても外すという解説が多いですが、これはレシピ全体によっても変わるため、必ずしも外した方がよいというわけではありません。

焙煎から抽出までのコーヒー作り

コーヒーの味を決めるのはコーヒー豆7割、淹れ方3割といわれています。

それくらいコーヒー豆選びは大切です。焙煎が浅いコーヒーほど酸味が強く、深いほど苦味が強いです。

コーヒーの抽出では早く淹れた方が酸味が強くなりやすく、ゆっくり淹れると苦味が強くなります。

こういった淹れ方でも色んな味を表現でき、焙煎から抽出までコーヒー作りはとても奥が深い世界でだからこそ楽しみ続けられると思います。

自分が酸味、苦味、バランス、どのコーヒーが好きかによって選び分けましょう。

コーヒー豆の挽き方の種類や分け方はこちらの記事でまとめているので気になる方はチェックしてみてください。

あなた好みの味を追求するためのコーヒーの調整方法

ここでは、バリスタの世界大会で優勝した粕谷バリスタが考案したドリップのレシピ「4:6メソッド」をご紹介します。

レシピとしても優秀ですが、ドリップコーヒーを淹れる上での考え方の参考にもなるのでぜひ試してみてください。

まず、全体の湯量を4:6に分けます。例えば、2杯用で全体が300gのお湯を注ぐとすると4:6に分けてみると120g:180gになります。

前半の120gを2回に分けて注ぎ、ここで味わいのベースと決めます。

60gずつ注いだ場合を基準として、1回目より2回目の方を多くすると甘さや苦味が強く、1回目より2回目を少なくすると酸味が強くすることができます。

また、後半の180gは何回に分けてそそぐかでコーヒーの濃度を決めます。

60gを3回に分けた場合を基準にすると90gを2回に分けた方が薄いコーヒーになり、45gを4回に分けた方が濃いコーヒーになります。

この4:6メソッドを使えば、自分なりにコーヒーをアレンジでき楽しみ方の幅も広がります。

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