普段はサイフォンでコーヒーを淹れている私ですが、実はスターバックスの多彩なカスタマイズにも興味津々で、よく勉強のために足を運んでいます。
皆さんはスターバックスで冷たいドリンクを頼むとき、氷の量について考えたことはありますか。特に「氷抜き」というオーダーは、検索してみると「損をするのではないか」「味がまずくなるのではないか」と不安に思っている方が多いようです。また、モバイルオーダーでの注文方法や、フラペチーノでもできるのかといった疑問も尽きません。せっかくの美味しい一杯ですから、自分好みの完璧な状態で楽しみたいですよね。
この記事では、そんなスタバの氷抜きに関する疑問を、喫茶店マスターの視点も交えつつ、一人のスタバファンとして分かりやすく紐解いていきます。
- 氷抜きにするとドリンクの液量がどう変化するのかの仕組み
- 無料でミルク等を増量してもらうためのお得な注文テクニック
- モバイルオーダーや店頭でスムーズに氷なしを頼む具体的な手順
- ラテやアメリカーノなど種類別の味の変化とおすすめカスタマイズ
スタバの氷抜き注文時の量とルール

スターバックスで「氷抜き(ノンアイス)」を注文しようとしたとき、一番気になるのはやっぱり「量」のことではないでしょうか。私たちのような個人の喫茶店でも、アイスコーヒーの氷を抜いてほしいというご要望をいただくことはありますが、その時の液量をどうするかは店によって考え方が違います。
では、世界的なチェーンであるスターバックスでは、どのようなルールで運用されているのでしょうか。ここでは、基本的な液量の決まりや、知っておくと得する増量の仕組みについて、私の実体験と調査をもとに詳しくお話しします。
氷なしだと量は減るのか解説
結論から申し上げますと、「氷を抜いただけでは、ドリンクの液量は増えません」というのが基本ルールです。これを知らずに注文すると、受け取ったカップを見て「あれ? 中身が少ない!」と驚いてしまうかもしれません。
スターバックスのレシピは非常に厳密に決まっています。例えばトールサイズのアイスラテであれば、エスプレッソの量とミルクの量は決まっており、そこに氷を入れてカップがいっぱいになるように設計されています。そのため、単純に「氷なし(No Ice)」とだけ伝えた場合、氷が入るはずだったスペースが空洞になり、カップの上のラインよりも数センチ下までしか液体が入っていない状態になります。
注意点
「氷なし」を指定した場合、液体の量はレシピ通りの規定量(通常時と同じ)ですが、見た目のかさが減るため、損をしたように感じることがあります。これは「減らされた」のではなく「氷の体積がなくなっただけ」という物理的な現象です。
しかし、ここで重要なのは「損をしているわけではない」ということです。私たちが普段飲んでいるドリンクの体積の多くは、実は氷が占めています。氷を抜いても、実際に体内に入るコーヒーやミルクの量は変わりません。むしろ、時間が経っても氷が溶けて味が薄まることがないため、最後まで濃厚な味わいを楽しめるというメリットがあります。
特に冬場や、冷房の効いたオフィスで長時間かけて飲みたい場合、キンキンに冷えすぎていない「氷なし」は、お腹にも優しく理にかなった選択だと言えるでしょう。
ミルク多めで増量する方法
先ほど「氷を抜いただけでは液量は増えない」とお話ししましたが、実はこれには続きがあります。スターバックスの素晴らしいところは、ここからの対応力です。多くのミルク系ドリンクにおいて、「氷なし」と合わせて「ミルク多め(エキストラミルク)」を注文することで、減ってしまった氷の分をミルクで補ってくれるのです。
これは通称「液量調整」とも呼ばれるサービスで、基本的に無料で対応してもらえます。このカスタマイズを行うと、カップの縁近くまでなみなみとミルクが注がれた状態になります。
お得なオーダーの方程式
「氷なし(ノンアイス)」 + 「ミルク多め(エキストラミルク)」 = 液量たっぷりの濃厚ドリンク(無料)
このカスタマイズが適用できるのは、主に以下のような「牛乳や植物性ミルク」を使用しているドリンクです。
- スターバックス ラテ
- キャラメル マキアート
- カフェ モカ
- ホワイト モカ
- ティー ラテ(アイス)
一方で、ドリップコーヒーやアイスティーなどの「水」や「お湯」で抽出するドリンクの場合、ミルク多めという概念が当てはまりません。これらについては「液量多め」と伝えることで、ベースのコーヒーやティーを増やしてくれる場合もありますが、店舗やドリンクの種類によって対応が異なることがあります。
喫茶店を営む身として見ても、原価のかかるミルクを無料で増量してカップを満たしてくれるというのは、非常に太っ腹なサービスだと感じます。この仕組みを活用しない手はありませんね。
店頭での正しい頼み方と伝え方
いざレジの前に立つと、後ろに並んでいる人の視線も気になって、焦ってうまく注文できないという方もいらっしゃるかもしれません。特にカスタマイズに慣れていないと、「呪文」のようなオーダーをするのはハードルが高いですよね。
でも安心してください。店員さん(パートナーさん)はプロフェッショナルですから、複雑な言葉を使わなくても大丈夫です。私がいつも実践している、シンプルで確実な伝え方をご紹介します。
| 希望する状態 | 店員さんへの伝え方(例) |
|---|---|
| 氷を抜いて、量もたっぷり欲しい | 「アイスのスターバックスラテを、氷なしのミルク多めでお願いします」 |
| 氷を抜いて、量はそのままでいい | 「アイスのスターバックスラテを、氷なしでお願いします(液量は少なくなっても大丈夫です)」 |
| 氷を少しだけ入れたい | 「アイスのスターバックスラテを、氷少なめのミルク多めでお願いします」 |
ポイントは、「氷なし」と伝えた後に、店員さんが確認してくれるのを待つか、自分から「ミルクを増やしてください」と付け加えることです。多くの店員さんは、氷なしのオーダーを受けると「液量が少なくなりますが、ミルクを増やしますか?」と親切に聞いてくれます。その時に「はい、お願いします」と答えればOKです。
また、最近ではメニュー表を指差しながら注文することもできますが、カスタマイズに関しては口頭で伝えるのが一番スムーズです。「氷を抜きたいんですが、中身を増やせますか?」と素直に相談してみるのも良いでしょう。スタバの店員さんは親身になって最適な提案をしてくれるはずです。
モバイルオーダーの操作手順
最近利用者が増えている「モバイルオーダー&ペイ」。レジに並ばずに商品を受け取れる便利なシステムですが、ここでも氷抜きのカスタマイズは可能です。対面で伝えるのが苦手な方には、むしろこちらの方がじっくり選べておすすめかもしれません。
アプリの画面は定期的にアップデートされますが、基本的な操作の流れは変わりません。ここでは、iPhoneやAndroidの公式アプリで「スターバックス ラテ」を注文する場合を例に見ていきましょう。
- 商品選択画面で「アイス スターバックス ラテ」を選びます。
- 「CUSTOMIZE(カスタマイズ)」というボタンをタップします。
- カスタマイズ一覧の中から「氷の量」という項目を探してタップします。
- 「氷なし」を選択します。
- 【重要】同じカスタマイズ画面内で「ミルク」の項目を探し、「ミルクの量」をタップして「多め」を選択します。
ここがポイント!
モバイルオーダーの場合、「氷なし」を選んだだけでは自動的にミルク多めにはなりません。必ず手動で「氷の量変更」と「ミルクの量変更」の両方を設定する必要があります。これを忘れると、液量が少ない状態で提供されてしまいます。
画面上でカスタマイズを選択すると、追加料金がかかるものには「+¥55」などの表示が出ますが、氷やミルクの量変更は「+¥0」と表示されるはずです。これを確認して注文確定すれば、完璧な氷なしラテが待たずに受け取れます。
ただし、一部の期間限定ドリンクや特殊なメニューでは、アプリ上で氷の量変更が選択できない仕様になっていることがあります。その場合は、諦めて店頭で注文するか、標準の状態で楽しむことになります。
フラペチーノの対応可否
スターバックスといえば、シャリシャリとした食感が楽しい「フラペチーノ」が大人気ですが、「フラペチーノも氷抜きにできるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言うと、フラペチーノの「氷抜き(ノンアイス)」は基本的にできません。
これは喫茶店のマスターとしても納得の理由です。フラペチーノは、氷と液体(ミルクやベース)をブレンダーで攪拌して作るフローズンドリンクです。ここから氷を抜いてしまうと、ただの「冷たくて甘い液体」になってしまい、フラペチーノとしての体を成さなくなってしまうからです。
しかし、「冷たすぎて頭がキーンとなるのが苦手」「もう少し飲みやすくしたい」という方のために、「氷少なめ(ライトアイス)」には対応してもらえる場合があります。
フラペチーノの氷事情
× 氷なし(ノンアイス):不可(商品の構造上作れないため)
△ 氷少なめ(ライトアイス):可能(ただし、サラサラした液体に近い状態になり、量は減る可能性がある)
氷少なめでオーダーすると、氷の粒感が減り、とろっとしたシェイクのような口当たりになります。味が濃厚に感じられるというメリットもありますが、カップ内の嵩(かさ)は確実に減ります。この場合、ラテのようにミルクを増やして量を調整することは、レシピのバランスが崩れるため基本的には行われません。
「量は減ってもいいから、とにかく濃厚で滑らかな食感を味わいたい」というマニアックな楽しみ方としてはアリですが、初めての方は通常のレシピで楽しむのが無難かもしれませんね。
スタバの氷抜きでおすすめの飲み方

さて、ここまでは仕組みやルールといった少し理屈っぽいお話をしてきましたが、ここからは楽しい「味」のお話です。私はコーヒーを提供する側の人間ですが、スタバの氷抜きカスタマイズは、単なる量調整ではなく「新しい味覚体験」だと思っています。
氷がないことで温度変化が緩やかになり、素材本来の風味をダイレクトに感じられるようになるのです。ここでは、特に氷抜きと相性が良いドリンクや、逆に注意が必要なドリンクについて、具体的な味わいの変化を解説していきます。
ラテは濃厚な味わいになる
私が最もおすすめしたい氷抜きドリンクの筆頭は、やはり「スターバックス ラテ」です。通常のアイスラテも美味しいですが、氷が入っていると飲み進めるうちに氷が溶け出し、最後の方はどうしても水っぽくなってしまいますよね。
「氷なし・ミルク多め」にしたラテは、最初の一口から最後の一滴まで、濃厚でクリーミーなミルクのコクが変わりません。エスプレッソの苦味とミルクの甘みのバランスが崩れることなく維持されるのです。温度帯も、キンキンに冷えた状態ではなく「冷えすぎない適温(10℃〜15℃くらい)」になるため、人間の舌が甘みを感じやすい状態になります。
さらに、カスタマイズを加えるなら以下の組み合わせが絶品です。
- ブロンド エスプレッソへの変更(無料):軽やかで甘みのある豆に変更することで、ミルクとの一体感が増し、まるで極上のカフェオレのような味わいに。
- キャラメルソースの追加(無料):氷がないのでソースが沈みやすいですが、ストローで全体に混ぜ込むと、キャラメル風味の濃厚ミルクコーヒーが完成します。
仕事や勉強のお供に、2〜3時間かけてゆっくり飲みたい時こそ、この「味が薄まらないラテ」の真価が発揮されます。
アメリカーノは薄いか検証
次に、エスプレッソをお水で割った「カフェ アメリカーノ」についてです。これは少し注意が必要です。
アメリカーノを氷なしで注文すると、氷の分の体積がなくなるため、カップの液面はかなり低くなります。ここで「液量を増やしてほしい」とお願いすると、店舗によってはお水を足してくれることがありますが、これは「コーヒーが薄くなる」ことを意味します。
エスプレッソのショット数(コーヒーの原液量)は変わらずに水だけが増えるわけですから、当然濃度は下がります。コーヒー好きの私としては、薄まったアメリカーノはあまりおすすめできません。
もしアメリカーノで氷なしを楽しみたい場合は、以下の2つのパターンのどちらかを選ぶのが賢明です。
- 量は少なくても味を守る:「氷なし」にするだけで、お水の増量はしない。これなら濃度は変わりません。
- 量も濃度も保つ(有料):「氷なし・お水多め」にした上で、「ショット追加(+55円)」をする。これならカップたっぷりの量で、かつコーヒーの濃さもしっかり楽しめます。
アメリカーノの氷抜きは、ゴクゴク飲みたい場合には適していますが、味のバランスを保つためには少し工夫が必要な上級者向けのカスタムと言えるかもしれません。
ティーラテも氷なし可能
意外と知られていませんが、アイスのティーラテ(抹茶 ティー ラテやほうじ茶 ティー ラテなど)も氷抜きが可能です。これらはパウダーとミルクで作られているため、ラテと同様に「氷なし・ミルク多め」の恩恵を最大限に受けられます。
特に「抹茶 ティー ラテ」の氷抜き・ミルク多めは、「飲む抹茶デザート」と呼びたくなるほどの濃厚さです。氷がない分、時間の経過とともに抹茶パウダーが沈殿しやすいという特徴はありますが、飲む直前にカップを回して混ぜれば問題ありません。
おすすめカスタム:オールミルク(ゼンミルク)
一部のティーラテでは、お湯を使わずに全てミルクで作る「オールミルク」という変更ができますが、氷抜きと組み合わせることで、信じられないほどリッチな味わいになります。甘いものが好きな方にはたまらない一杯になるでしょう。
まずいと感じる原因と対策
検索キーワードを見ていると「スタバ 氷抜き まずい」という言葉を見かけることがありますが、これには明確な原因があります。多くの場合、以下の2つのパターンに当てはまります。
1. 生ぬるくて美味しくない
氷が入っていないため、ドリンクの温度は「冷蔵庫から出した牛乳」くらいの冷たさになります。真夏の炎天下で、キンキンに冷えた喉越しを求めている時にこれを飲むと、「ぬるい」「キレがない」と感じてしまうでしょう。
対策:気温が高い日や、リフレッシュしたい時は素直に氷ありにするか、「氷少なめ」で妥協するのが良いでしょう。
2. 水っぽく感じる、または濃すぎる
アメリカーノやアイスティーで無理に液量を増やして薄くなったり、逆に氷が溶けることを想定して作られた濃い目のドリンク(一部の期間限定品など)が、そのままの濃度で提供されて「くどい」と感じたりするケースです。
対策:ミルク系以外のドリンクでは、液量増量を慎重に行うこと。濃すぎる場合は、自分で少し氷を入れて調整するのも一つの手です。
損しないカスタムの選び方
これまでの話を総合して、私が考える「損をしない、失敗しない氷抜きカスタムの選び方」をまとめます。
氷抜きが向いているドリンク(成功率高)
◎ スターバックス ラテ、ソイラテなどのミルク系エスプレッソ
◎ ココア、ミルク単体
◎ 抹茶 ティー ラテなどのミルク系ティー
氷抜きに注意が必要なドリンク(要工夫)
△ カフェ アメリカーノ(薄まりやすい)
△ ドリップ コーヒー(店舗により液量対応が異なる)
△ ゆず シトラス & ティーなどのジュース系(ぬるいと甘さが際立ちすぎる)
「ミルクが入っている飲み物なら、氷抜き・ミルク多めは鉄板」と覚えておけば間違いありません。
最高のスタバの氷抜き体験を
今回はスターバックスの「氷抜き」について、その仕組みから注文方法、おすすめの楽しみ方まで深掘りしてきました。
「氷抜き」は単なる裏技や節約術ではありません。自分の飲むペースや好みの温度、味わいに合わせてドリンクをパーソナライズする、とても奥深いカスタマイズの一つです。最初は「量を減らされたらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、今回ご紹介した「ミルク多め」のテクニックを使えば、満足度の高い一杯に出会えるはずです。
私たちのような個人の喫茶店では、こだわりの氷を使って一杯ずつ丁寧に冷やすことを美学としていますが、スターバックスのような場所では、こうして自分自身で味をデザインしていく楽しさがあります。どちらも素晴らしいコーヒー文化の形です。
ぜひ次回スターバックスを訪れる際は、勇気を出して「氷なし、ミルク多めで」と注文してみてください。いつものラテが、驚くほど濃厚でクリーミーなご馳走に変わる瞬間を体験していただけると思います。あなたのコーヒーライフが、より豊かで楽しいものになりますように。














